有利なダメージ交換をするために。
あいさつ:
閲覧ありがとうございます。hosiumeです。今回の記事ではレーニング(特にトップレーン)に関して書いていきます。本来かなり重要な要素になりますが、軽視されがちなのでスキルアップの一助になれば幸いです。
MOBAというジャンルの性質上、さまざまな考え方があり、本記事に記載されていることが最善とは限りません。あくまで僕個人の意見として参考にしていただき、独自の意見を形成することを強くお勧めします。
レーニングについて:
試合の序盤から中盤にかけてゴールド差が生まれる原因は、キル報酬とCS数です。レーニングはこの両方に影響する重要な要素になりますが、地味なこともありあまり重要視されません。
またLoLとはレーニングの特性も異なるため、間違った知識のままプレイしてしまっている方も少なくないように感じます。今回の記事ではそのあたりにも触れ、個人的な意見を書いていきます。
要約:
ラストヒットは絶対取る。順番は経験値とゴールドが多いミニオンから。自分が有利と思ったときはダメージ交換しよう。常に相手ジャングラーの場所を意識してレーニングしよう。
①ラストヒット(以下LH)
上位のプレイヤーと試合をしているとキルが一切発生していなくても、金銭差がついていることが珍しくありません。フルパーティを組んでマッチングしたことがある方はすぐに共感して頂けると思います。
これは非常にわかりやすい話で、単純にLH数に差ができてしまっていることがほとんどです(他にも色々原因はあります)。単純なLHの練習は練習モードでいくらでもできますし、やればやった分だけ身に付きます。こればかりは練習するしかないため、経験を積みましょう。
ただしLHの取り方の原則として、味方ミニオンが攻撃している相手ミニオン以外をヒーローは攻撃した方が良いです。当たり前の話ですが、味方ミニオンが攻撃しているミニオンのLを取るためにはミニオンのダメージ計算をしなければいけませんが、ヒーローのみのダメージで取る場合はそれがありません。
よってLHを確実に取れるため、LHの安定感が向上します。他にも理由はありますが、まずはこのことを意識することから始めてみてください。
②ダメージ交換
ほとんどのプレイヤーが意識できていないのが、このダメージ交換です。非常に重要な要素であるにもかかわらず、軽視されているため裏を返せば他のプレイヤーと差を付けやすい要素となっています。
今回の記事ではトップレーンにおけるダメージ交換について書いていきますが、基本的にはどのレーンでも内容は同じです。
考えなければいけない要素としては主に、A.ヒーロー相性、B.ヒーローの射程、C.ミニオン数、D.スキルの有無、E.アクティブアイテムの有無、F.レベル差、G.バイ差、などが挙げられます。順番に説明していきます。
A.ヒーロー相性
対面ヒーローとの相性はレーニングにおいては非常に大切です。相性の定義は難しい上にPSが絡んでくるので、一般的な評価をあてにするよりも、自身で考えて判断した方が良いと思っています。
具体的な例を挙げるなら、一般的にタカはセレスに1v1で勝てるとされていますが、もしタカがセレスのBスキルをAスキルで避けられなかったり、パッシブを生かしてセレスのAスキルを避けられないならば、勝敗はわかりません。
あくまで一般論でタカが有利とされているだけで、そこにPS差が介在する場合は結果が異なるということです。ランクマッチでもし自分が使い慣れていないヒーローをせざるを得なくなった場合、自身のPSも踏まえて勝てるかどうか判断しましょう。
原則として、現在(2019/10/25時点)の環境では(1v1の場合)トップレーナ―の方が有利とされています。環境のメタになっているグランプジョー、ジュール、ランス等のヒーローは序盤、ボットレーナーに対して有利なダメージ交換が可能です。
B.ヒーローの射程
当たり前の話ですがレンジヒーローの強みは、自身より射程の短い対象に一方的にダメージを与えることが可能だという点です。原則としてトップレーナ―はボットレーナ―に有利であると前述しましたが、(レンジヒーローを選択しない限り)射程で勝てることはまずありません。
このことから、もしボットレーナ―側がカイトし続けることができれば理論上ノーダメージでメレーヒーローを倒すことができます。当然実戦でそんなことは起きることはありません。ではなぜそうならないのか、その理由を見ていきます。
C.ミニオン数の差
ミニオンの特性として、”味方ヒーローが攻撃されたとき、攻撃してきた相手ヒーローを優先して攻撃する"というものがあります。つまり、レーン上のミニオン数が味方の方が多い状態はダメージ交換において有利であると言えます。
これがハラス(レーニングしながら相手ヒーローを攻撃すること)を仕掛けるタイミングの一つ目の目安です。特に味方ミニオンを強化するキャプテンミニオンが味方にいて相手にいない場合、序盤のダメージトレードでは大きく差がでます。
LHの項目で書きましたが、後ろのミニオンから攻撃するもう一つの理由は近接ミニオン(LH報酬:35G)よりも遠隔ミニオン(LH報酬:25G)のミニオンの方が攻撃力が高く、耐久値は低く設定されているからです。
LoLと比べるとミニオン数が少なく、少しの差にはなりますが特に序盤ではキルが発生するかしないかはかなりシビアですので、意識しておいて損はありません。
D.スキルの有無
レンジ差を埋める手段としてもっとも簡単なのはスキルを使用することです。どのヒーローがトップ適正があるのかを考えるにあたって一つの基準となるのが、ブリンクスキルの有無です。
有利なダメージ交換をするにはメレーヒーローは必ず距離を詰める必要があるため、ブリンクや速度バフ、CCを発動できるスキルを使う際には注意が必要となります。
当たり前の話ですが、スキルを使いきった状態で距離を詰める手段はブーツを使うか、そのまま近づいていくかの二つです。もちろん味方の支援がある場合は別ですが、少なくともトップのレーニングの最中は期待しない方が良いでしょう。
トップレーナ―がスキルを使い切った状態はボットレーナ―側としてはチャンスです。少なくともレーニングがうまいと言われているプレイヤーであれば絶対に見逃してくれません。トップレーンの1v1においてダメージ交換でトップレーナーが負けてしまう理由のほとんどはこれが原因です。
また、仕掛けるタイミングも重要で、相手のタレットに近ければ近いほどボットレーナ―は簡単に安全圏に逃げられます。有利なダメージ交換ができてもその後にダメージを返されてしまい、寄ってきたジャングラーにキルされてしまう、というケースは珍しくないでしょう。
前述したように序盤においてトップレーナ―(メレー)側は、距離さえ埋められてしまえば有利であることは間違いないです。このことをよく理解した上でレーニングを意識するとソロキルに繋がり易くなります。
E.アクティブアイテムの有無
アクティブアイテムの中でも特に重要なのがヒーリングフラスコです。最近はかなりソロランクを回していますが、チャットでフラスコの使用を報告してくるプレイヤーにはまだあったことがありません。
LoLではフラッシュ(クールダウンの長いブリンク)の使用をソロランクでも報告します。ヒーリングフラスコはクールダウンがそれほど長いとは言えませんが、それでもジャングラーがガンクを行うまでの時間を考えればチャットしておいて損はないでしょう。
チャットバグもありますし、レーニング中に報告するのは難しいですがチャットでの報告が浸透してくれると個人的には嬉しいです。
話を戻します。言うまでもなく、レーニング中のヒーリングフラスコの有無は重要です。大切なのは対面のプレイヤーのヒーリングフラスコがアクティブなのかどうかという点です。
理想を言えば、相手がフラスコを使用したタイミングでタイマーを確認し、120秒のクールタイムを数えておくことです。実戦で実行するのは難しいですが、まずは相手が使ったか使っていないかを意識するだけでもかなり変わります。
ヘルス管理をする際にはフラスコ込みで考えながらレーニングしましょう。
F.レベル差
レーニング中に一瞬でもレベル差が開く瞬間があります。その中でもレベル1とレベル2、レベル5とレベル6ではスキルの数に差が来てしまうため、レベルが低い方はまず勝てません。
繰り返しになりますが、このレベル差についてもゴールド報酬の大きいミニオンから倒す理由の一つです。ミニオンウェーブで最も多くの経験値を得られるのが大型のミニオンです。前述したように一瞬でもレベルに差がつけば、その瞬間は自分の方が有利になります。
このことを利用してハラスしたりフリーズして有利なダメージ交換を行えます。レベルが一つ違うだけで基本能力値とスキルのダメージに差が出ますから、意識してみると思っている以上に簡単にダメージ交換で勝つことができるでしょう。
G.バイ差
レーニングが強いと言われるヒーローは基本的にレーンプッシュが速いヒーローです。前述したミニオン差を簡単に作ることができるということに加えて、有利な状況でリコールができるというのが理由です。
リコールが簡単にできるということはビルド差を付けやすいということですから、特に序盤においては楽にレーニングが可能です。リコールタイミングに関してですが、対面のヒーローがリコールしたのを確認してからタレットにミニオンを押し付け、リコールするのが理想です。
スコアボードをこまめに確認し、対面ヒーローとビルド差ができているのならチャンスです。仮にレベル差があったとしてもビルド差によっては逆転できる可能性もあります。
Tips:トップレーンの特徴
少しレーニングそのものの話から外れますが、トップレーンの特徴について少しだけ書いていきます。ここまでの内容で、トップレーナ―はボットレーナ―に対して原則有利であることを前提に記事を書いてきましたが、実戦ではジャングラーやキャプテンが頻繁に寄ってくるため、1v1が続くことはなかなかありませんし、レンジを生かして立ち回られると不利な状況を作られてしまうことも多々あります。
そのためHPのない、かつ人数不利の状況でレーニングしなければならない場面が多く、序盤からデスが絡みやすいレーンとなります。
個人的な意見になりますが、トップレーナ―は無理にファーストタレットを守る必要はないと思っています。折られる前提でレーニングし、デスしないことを最優先で考えるべきです。
特にファーストブラッド報酬が相手のボットレーナ―に入ってしまった場合、大きな差となり、その後の展開が大幅に不利になります。ケストレルやキネティック等のレーニングで有利を取りやすいヒーローに対してはデスを避ける立ち回りが大切になります。
現状のWPキャリーはゴールドをある程度稼がなければ大きなダメージが出ないため、キルの有無は想像以上に重要です。
だからといって有利な状況のときにダメージ交換をしないのは損です。ここがレーニングの難しい点になるわけで、PSに直結します。基本的には前述したダメージ交換の項目を意識した上で、相手ジャングラーの場所を常に確認し続けることでうまいレーニングが可能になります。
少しでも参考になれば幸いです。
あとがき:
本当はもっと書きたいことがたくさんあるんですが、ボリュームがとんでもないことになってしまうのと、まとまりがなくなってしまうので今回はこのあたりで終わっておきます。
今回書きたかったのはダメージ交換(ハラス)に関してがメインですので、一通りは書けたと思います。余談ですが、頭でわかっていても実戦するにはかなり練習する必要があります。1試合ごとに意識する項目を変えながら目的を持ってプレイすると身に付きやすいと思います。
閲覧ありがとうございました。
なぜ逆転勝利が起こるのか。
あいさつ:
閲覧いただきありがとうございます。hosiumeです。今回の記事では5v5においてどういう条件がそろった時に逆転が発生するのかについて書いていきます。
MOBAというジャンルの性質上、さまざまな考え方があり、本記事に掲載されていることが最善とは限りません。あくまで僕個人の意見として参考としていただき、独自の意見を形成することを強くお勧めします。
逆転勝利の条件。
当たり前の話になりますが、何の理由もなしに逆転は起こりえません。必ずなにかしらの理由があって、逆転が可能になります。この理由にあたる部分は試合ごとによって変わりますが、その部分をあやふやにしていると謝った認識のままプレイし続けなければなりません。
この状態は決して良いとはいえません。なぜ勝てたかわからないというのは状況判断が不十分ということであり、これも一種のPS不足といえるからです。
①パワースパイク
ヒーローごとに強い時間帯が存在するのはすでに皆さんもご存じだと思います。しかしながらすべてのヒーローのパワースパイクを完璧に理解するのは難しく、ある程度の基準(オーバードライブ、Tier3武器の完成、ウルトの取得等)で判断を行っていると思います。
例えばグランプジョーは序盤において非常に強力なスキルとパッシブを持っており、同等の実力であればボットレーナ―は負けなくすることはできても、勝つところまで持っていくのは相当困難です。しかしながらこの力関係は時間が経過するごとに変化していきます。
もちろんこれはビルドやヒーローによっても左右されますし、PS差があると話は変わりますが、少なくとも序盤より終盤の方がグランプジョーに対して楽に戦えることはわかっていただけると思います。
敵味方のすべてのヒーローのパワースパイクを把握できれば、いつ集団戦をすれば勝ちやすいのかが理解しやすくなります。少なくとも自分の使っているヒーローのパワースパイクは把握できるようにしておきましょう。ヒーローへの理解度はそのままヒーロープールへと反映されます。
②オブジェクト(ブラッククロ―)
ソロランクをまわしているとブラッククロ―の重要性の認識に関して、プレイヤー間で大きな乖離があるように感じます。よくあるのは負けている状態で無理にブラッククロ―をスティールしにいくという状態です。
オブジェクトのスティールは5v5においてはかなり難しいです。スティールする際の場面を考えてほしいのですが、ほとんどの場合は味方側が人数不利な状態のはずです。つまり、相手側のバーストダメージの方が大きい場合がほとんどなので、必然的にスティールの難易度は上がります。
加えてセレスやバロンのウルト等の安全な位置からのスティールを狙うなら別ですが、ほとんどのヒーローは危険な位置(ブラッククロ―沸き場所周辺)からスティールを狙わなければなりません。ブラッククロ―のスティールにおいてデスが発生してしまうのは、その後のミッドにおけるブラッククロ―戦で人数不利がつきやすく、最も典型的な負けパターンとなります。
そもそもスティールが成功したとしてもスティールしたヒーローがデスもしくはリコールが必要な状態になった場合や、レーン状況が不利な場合には、敵タレットが一本も折れずに処理されてしまうことも珍しくないでしょう。
つまり無理にスティールを狙うよりも、ブラッククロ―を出させて処理に回る方が逆転しやすい場合がほとんどです。現状のメタでは一度目のブラッククローはほとんどの場合、激怒状態(試合時間25分以降)ではないですし、タレットが二本以上残っていれば、まず試合は終わりません。むしろ一度目のブラッククローで二本のタレットが折れれば、かなり良い方です。
ブラッククロ―の処理報酬はチーム全体で1250ゴールドですが、タレット二本破壊の報酬は最大でも、1000ゴールド【(300+50×4)×2】です。またブラッククロ―戦において前衛を張るのはメレーヒーローになるため、キャリーのどちらかにこの600ゴールドを集めるのは非常に難しく、ほとんどの場合はチーム全体で800ゴールド~900ゴールド程度になります。
当然ミッドタレットがすでに一本もない場合や、圧倒的な金銭差(10k以上)がついてしまっている試合に関しては、スティールせざるを得ませんが、その他の場合ではスティールの判断は決して良いものだとは言えず、むしろ逆転の機会を損失しているといえます。
そしてこれは逆転負けする理由でもあります。勝っている試合だとしても、無暗にブラッククローの解放を行ってしまうと相手にチャンスを与えてしまう場合があります。特に典型的な例として、相手チームにマグナスがいる場合です。もっと限定するなら相手チームのマグナスのみが育っている試合です。
ブラッククロ―戦の特徴として、ミッドレーンにヒーローが終結し、集団戦が発生します。この状態はAoEを持つレンジヒーローが力を発揮できる条件です。安全なタレット裏からダメージを出しやすく、ブッシュは少なく直線的な集団戦で相手ヒーローは自然と固まってくれます。相手の編成を確認してAoEを持つレンジヒーローの枚数をきちんと確認しましょう。
こういった場合、無理にブラッククロ―を解放するよりもゴーストウィングを取り、相手ジャングルを荒らして、激怒状態になるのを待ち、より金銭差が開いた状態で集団戦を行った方が良いでしょう。
典型的すぎる試合をDNzio選手が解説付きで上げてくれているのでぜひ見てみてください。英語がわからなくてもある程度は理解できると思います。【https://www.youtube.com/watch?v=5YP1EQK_N3I&t=966s】
長くなりましたが、要約するとブラッククロ―のタイミングはよく見極めようということです。
③グループアップ
MOBAにおいて人数不利の状態ではまず勝てません。仮に負けている試合であったとしてもこれが変わることはなく、人数有利な状況で戦った場合であればほとんどの場面で勝利することができます。
よく聞くのがいつグループアップ(寄り)したらよいかがわからないというものですが、基本的な考え方としてはキルが発生するかしないかです。自分が寄ることによってキルを取れそう(もしくはデスを防げそう)と判断したならすぐに寄り始めましょう。レーナ―にとってCSを取りながらミニマップを見るのは難しいかもしれませんが、それも含めてPSです。
負けているときこそ、どこで人数有利を取ることができるのか考えながらプレイするようにすると良いかもしれません。
またキル報酬の金額と相手キャリーの状態には常に気を配りましょう。どれだけ相手チームのタンクヒーロー(トップ)やジャングラー・キャプテンが育っていようが、試合終盤における影響力はキャリーの二人の方が圧倒的に大きいです。
同じ1キルでもキャリーをキルしたのとキャプテンをキルした場合では価値が全く異なります。ゴールドが集まるキャリーがデスするのはその間のレーンミニオンを他のジャングラーやキャプテン、トップのヒーローが取ることになり、ジャングラーの稼ぎが最も多くなったりしてしまいます。
スコアボードを見たときにジャングラーやトップが一番稼いでいる試合は珍しくありませんが、これは”序盤押せてたのに終盤に負けた”という試合の典型です。ほとんどのジャングラーやタンクヒーローのパワースパイクは序盤~中盤に設定されており、試合終盤の集団戦において火力不足で負けてしまうことがほとんどです。
このことからいえるのは、相手チームのキャリーさえ潰してしまえば序盤多少負けていようが、簡単に逆転できる可能性があるということです。逆に相手チームとの差を広げるなら、キャリーをキルするのが最も近道になります。
④インフュージョンと見かけの金銭差
ベイングローリーにおいて非常に重要な要素になるのがこのインフュージョンです。どのタイミングで使用するのかは難しい判断になりますが、少なくとも終盤の集団戦においては皆さん使用していると思います。
500ゴールドで買うことができる消費アイテムですが、実質的な価値は(レベルにもよりますが)500ゴールドより遥かに大きいものとなります。味方チーム全員が使っており、相手チーム全員が使っていないなら相当な金額差をひっくり返すことが可能です。
また、相手のインフュージョンをやりすごす(効果が切れるのを待つ)、という意見をよく見ます。しかし実際の試合でこれを実行するのは難しく、高階層になればなるほどタレットダイブやオブジェクト判断がうまくなるため、ほとんどの場合プラスを取られてしまいます。よって自分の使っているヒーローがよほどのレイトヒーローでない限り、相手に合わせて(もしくは先に)持つことをオススメします。
ゴーストウィング発生の段階でインフュージョン使用によるリターンが取りやすくなるため、そのあたりの時間帯からスコアボードを気にし始めましょう。
加えて気を付けておきたいのはインフュージョンの使用終了によって失われる500ゴールドはスコアボードには反映されないということです。もし仮に相手のチームが序盤に大量のインフュージョンを使って集団戦で負けたとしても悲観してはいけません。
この場合スコアボード上では金銭差が開きますが、実質的な金額差の計算にあたっては使用したインフュージョン分のゴールドを差し引きする必要があります。しかしながら、相手チームの使ったインフュージョンの枚数を覚えておくのはあまり現実的ではないため、ビルド差で判断しましょう。
もちろん全ヒーローのビルドの総金額を瞬時に計算するのは難しいため、最低限味方キャリーの二人と相手キャリーを比較して、ビルド差がどの程度ついているのか比較するのをオススメします。
もし味方のキャリー二人の方が稼げているなら十分勝機はあります。
⑤赤バフと青バフ
5v5には二種類のバフが存在し、どちらの効果も非常に強力です。基本的に青バフはミッドレーナ―が、赤バフは(終盤は)ボットレーナ―が取ります。インフュージョンと同様にこのバフのあるなしは集団戦の結果を大きく左右するため、もし味方キャリーが持っており、相手キャリーが持っていないなら、ダメージに大きく差がでます。
特に拮抗している試合においてはこのバフの差は重要な要素になるため、逆転を狙う場合には相手が持っていないタイミングを狙いましょう。
⑥チーム構成
パワースパイクの話と関連して、チームのバランスも大切な要素となります。あまり構成に注目は集まりませんが、先日行われた大会でも勝率が良かった編成は2レンジ、3メレーの編成でした。
ジャングルやトップにレンジヒーローを置いたとき、キャプテン以外のタンクヒーローが不在の試合がランクマッチでも時々あります。確かに考え方の一つとして、ジャングルにレンジヒーローを置き、ボットのファーストタレットに圧力をかけ、序盤で有利を取るというのはスノーボールを目指すに当たって有効な戦略です。
しかしながら終盤の集団戦についてはレンジヒーローの脆さがでます。基本的にレンジヒーローのスキルやパッシブは攻撃的なものが多く、強化体力や強力なCC、ダメージカットを持つヒーローは少ないです。また基本の能力値(HP、アーマー、シールド)もメレーと比べて低く設定されているため、前線を張るには不向きです。
構成の細かい話をしだすと長くなりすぎるので深堀はやめておきます。言いたいことは相手チームが特殊な構成で序盤に有利を取られたとしても、悲観することはないということです。
④で書いたように、相手が強いタイミングで有利を取られてしまうのは当たり前の話で、PS以前にヒーロー性能の問題です。そういったヒーローは終盤弱くなったり、前述のようにチーム構成として集団戦が弱い場合がほとんどです。
もう少し具体的な話をすると、ソーが相手チームにいたとして、序盤にファーストタレットを折られたとしても、誰も文句は言わないでしょう。ソーは非常に極端な例なのでわかりやすいですが、それと同じことが、ジャングルレンジやトップレンジの構成で言えるということです。
大会に参加しているようなプレイヤーたちはそういった相性や性能についてよく理解しています。マクロを考える上で非常に重要な要素になるので、知識を身に着けておくと良いと思います。
⑦これまでの要素を踏まえて(チーム全体の認識)
これまで書いてきたことはゲーム内の要素に基づいた話ですが、この項目ではプレイヤーの感覚によって発生する問題を書いていきます。
試合中、ある地点において自分たちのチームが勝っているのか、それとも負けているのか、皆さんはどうやって判断しているでしょうか。おそらく大半の方はスコアボードの金銭差を確認して、どちらのチームの稼ぎが多いかで判断するでしょうし、それは基本的に正しいです。
しかしながらここまでの項目を踏まえて考えると、スコアボード上の金銭差だけで考えてしまうと有利不利の判断には最適ではないことが分かって頂けると思います。
人間の感覚的に一度負け始めてしまうとその後のプレイが消極的になってしまいます。皆さん経験があるでしょう。当然MOBAというジャンルにおいて、ゴールドは絶対的なものですから、金額差がある状態で集団戦を行うのは合理的ではありませんが、この消極性がいつまでも続いてしまうと、機会を失ってしまうことになります。
負けている試合で逆転するためには、どこかのタイミングで必ず分岐点が必要です。例えば、ボットレーナーのTier3武器の3つ目が完成した、お見合い中に相手のインフュージョンが一斉に切れた、ブラッククロー戦でミッドレーナ―にキルが大量に入った、等です。
ここで大切なのは、チーム全体で情報を共有し、方針を固めることです。ソロキューでは難しいかもしれませんが、そのためにピンとチャット機能があるので有効活用しましょう。
集団戦において消極的なプレイヤーと積極的なプレイヤーが併存する場合、負けている試合の集団戦で勝てる可能性は非常に低くなります。タンクヒーローが前衛を張ってダメージを受けているときに、味方がダメージを出せていない状況はこの認識の相異によって生じることが大半です。
いわゆる”勢い”や”流れ”とはまさにこのことで、わかりやすいのがCCチェインです。”味方に合わせる”の典型ですから、前衛に近い立ち位置を取る必要があり、チーム全体の認識が”攻め”に傾きます。
この点においても強いチームは冷静に自分たちの状況を理解して分析し、どのタイミングで逆転を狙うかを常に考えています。
まとめ:
これまで挙げてきた要素はブラッククローの項目を除いて、3v3よりも5v5の方が要素の数が各段に多く、10人分のパワースパイク、チーム構成、バフの存在、等3v3よりも複雑になっています。
だからこそ5v5は奥深く、楽しいものです。今回挙げている項目で大部分を網羅したつもりですが、細かい話をしだすときりがありません。要素が多いということは逆転できるチャンスも多いということです。3v3のときよりも5v5での逆転勝利が多く感じている方は、それは気のせいではありません。
もちろん僕自身、厳密なデータを取ったわけではないですが上記の項目を踏まえると納得していただけると思います。
MOBAは個人戦ではなく、チーム戦であることをきちんと理解しましょう。
追記:かなり大雑把に書いたので、質問ありましたらツイッターまでお願いします。
なぜミッドレーナ―はCPヒーローなのか。
あいさつ:
閲覧ありがとうございます。hosiumeです。今回の記事では各ロールに特定のヒーローが割り当てられている理由を解説していきます。
MOBAというジャンルの性質上、さまざまな考え方があり、本記事に掲載されていることが最善とは限りません。あくまで僕個人の意見として参考にしていただき、独自の意見を形成することを強くお勧めします。
5v5における各ロールに特定のヒーローを割り当てる理由:
なぜミッドにはCPレーナ―、ボットにはWPレーナ―を置くのか、皆さん一度は疑問に思ったことがありませんか? 当然、そうした方が勝てるからというのが結論になりますが、その理由を執筆時点【2019/8/28】のメタをもとに解説していきます。
またMOBAにおいてのチーム構成の考え方は色々ありますが、今回はVaingloryにおいて最もスタンダードなものについて書いていきます。
ミッド(AoEスキル)編:
チームの構成を考えるに当たって、AoEスキル(複数のヒーローに同時にダメージが与えられるスキル)を持ったヒーローが集団戦において大きな力を発揮するのは簡単にわかります。このAoEスキルを持ったヒーローとして挙げられるのが、マグナス・セレス・スカーフ等のヒーローになります。
このヒーローたちの共通した特徴として、A.ブリンクスキルを持っていないヒーローが多い(機動力が低い)、B.スキルによる射程が長い、C.ミッド~レイトにかけてのパワースパイク(強い時間帯)を持つヒーローが多い、等が挙げられます。これらの条件に最も適しているのがミッドレーンとなるわけです。まずはその理由について書いていきます。
1.ファーストタレット間の距離が短い。
三つあるレーンの中で最もタレット間の距離が短いのがミッドレーンになります。これが意味するのはガンクされた場合でもタレットまで逃げ切ることが他レーンと比べて容易だということです。
つまりファームがしやすく、CPヒーローに共通する序盤の弱さ、機動力の低さを補ってくれます。また特徴のBで挙げたようにヒーロー自体の射程とスキルの射程が長いため、安全な位置でのレーニングができ、他のレーンと比べて育ち易いということがいえます。
2.青バフが近い。
いわゆる青バフにはCPダメージアップと体力吸収効果がついています。これがあるのとないのではレーニングの際のサステイン(レーン維持能力)に大きな差がでます。ミッドではレンジの長いヒーローで対面することが多いため、ハラス(レーニング中のダメージ交換)が重要な要素の一つです。
青バフをミッドレーナ―に譲る理由はレーンで少しでも有利を取れるようにするためです。仮に相手のレーナーが青バフを持っていて、こちらが持っていない場合、ヘルス交換においてかなり不利な状況になります。
3.ミニオンの到着が速い。(ホームからの距離が短い)
三つのレーンで最もミニオンが速く到着するのがミッドレーンです。また、①最終的に到着するミニオン数が他レーンと比べて一匹多いこと、②到着が速く、LHを他のレーンと比べて早い段階で獲ることが可能であること、③リコール等でレーンを離れた際のミニオンロストが少なくなること、等の理由により、少しの差ですが速く成長できるということになるため、パワースパイクを速く迎えたいCPヒーローと相性が良いということがいえます。
スコアボードを確認したとき、ほとんどの試合でミッドレーナ―のCSが一番多くなっているはずです。機会があればぜひ確認してみてください。
4.川バフ(ブラッククロ―流域)の存在。
キャプテン編でも触れますが、ミッドレーンから両サイドのレーンへと続くブラッククロ―流域には速度バフが存在します。これを利用して、ミッドレーナ―やキャプテンはガンクを比較的簡単に行えるわけですが、その際CCを持っているヒーローは当然有利になります。
ヒーロー性能を見ていただければわかりますが、WPヒーローとCPヒーローを比較した際、序盤(レベル1~レベル5)において圧倒的に強いCCをCPヒーローの方が持っています。つまりキャプテンやトップが持っているCCとチェインをかけやすく、ガンクの成功率は各段に上がります。
序盤から中盤にかけての試合が動くタイミングで重要な要素になるため、CC持ちのキャプテンと一緒に行動する機会の多いミッドレーナ―はCC持ちが好ましいということがいえます。
まとめ:
以上をまとめると、ミッドレーンの特徴としては、a.ガンクから逃げやすくファームがし易い、b.青バフが近い、c.他レーンと比べて速く育ち易い、などが挙げられます。
これらを総合して考察するとCPヒーローにとって非常に適した環境であることがわかります。当然そういう風に運営が設計しているわけで、たまたまではありません。ただミッドレーンの特徴やAoEのことを考えると一部のWPヒーロー(特にバロン)には適正があるようにも思えます。
しかしその場合、CPヒーローをどこのレーンに置くのかという問題が発生します。チーム全体でWP寄り(またはCP寄り)になってしまうと、相手チームにアーマー(またはシールド)を積まれたとき、不利な戦いになってしまいます。ゴールドが集中しやすいキャリーの二人が両方ともWPというのはそれだけでデメリットになってしまうのです(特にWPはアトラスの影響大)。また青バフも最大限生かすことはできません。
とはいいつつも、相手チームの明確なカウンターになっている場合やピック上取らざるを得ない(OPヒーローを相手に取られてしまう)場合、WP被り(CP被り)を気にせずピックした方が勝てることもあるでしょう。これは難しい判断(ピック)になり、これ以上は経験とセンスの話になってしまいますので、掘り下げはやめておきます。
以上、ミッドレーン編でした。ここまでありがとうございました。もし個別の質問等ありましたらツイッターまでお願いします。
なぜソロキューの味方は弱いと感じるのか。
はじめに:
閲覧ありがとうございます。hosiumeと申します。最近ツイッターで回ってきたマッチングシステムや階層に関しての不満やギルドメンバーを見て少し感じ方が違うなと思い、書きました。似たような内容の記事はすでにたくさんあると思いますが、少しでもMOBA全体で暴言が減ることを願っています。ソロキューで味方に納得できない方はぜひ読んでみてください。
要約:
怒る気持ちはよくわかる。でも負けたのは自分の実力不足と考えた方が良いし、同じくらいのゲージを持っているプレイヤーは下手じゃない。味方のせいにして批判するなら自分の反省点見つけて練習した方が生産的だし、楽しい。勝率が下がるから暴言はやめるべき。ソロキューではプールが広いと有利。ただマッチングシステムはそこそこ適正だと思う。
なぜソロキューの味方は弱いと感じるのか:
MOBAというゲームの性質上一人で勝つことは不可能です。Vaingloryにおいても例外ではなく、チーム全体の利益を追究し続けたチームが勝利します。
よって勝ちたいのであれば味方のことを尊重し、意見を受け入れるようにしなければなりません。特にソロキューという環境では、まったく異なる価値観をもったプレイヤー同士がマッチングします。普段仲間うちでメタを形成しプレイしていると、その環境の違いに落胆し、自分の意見と違ったからといって味方批判を始めるプレイヤーが少なくありません。
また、そもそもマッチングシステムに対する不評をよく見ます。①”味方の階層が低すぎる”、②”同階層とは思えないほど下手だ”、等です。これらに関して僕個人の意見としてはまったく賛同できません。なぜなら普段プレイしている中で圧倒的な実力差によって負けた、と感じることは非常に少ないからです。
①”味方の階層が低すぎる”について
この”実力差によって負けた”と感じる唯一の例外は、高ランクの一部のプレイヤー(10g)たちとマッチングしたときです。彼らのプレイは非常に洗練され、とても同じゲームをしているとは思えないほど異次元です。そのときは素直に実力差を認め、彼らにいつか勝つため改善点を模索します。
そして僕自身の階層がすでに10sであり、上を目指していくのなら彼らに勝っていく必要があります。Vainglory内のトロフィー表示画面に明記しているように、”折をみて高階層のプレイヤーとマッチングする”とありますし、自分よりうまいプレイヤーのプレイを体験できるというのは非常に貴重な経験になります。(五連続くらいボコられると萎えます)
しかしながらそれ以外の試合に関しては、バランスが取れており、ほとんどの試合で適当なマッチングだと感じます。仮に3gくらいの味方とマッチングしたとしましょう。その場合、必ず相手チームにも同階層程度の相手がいるはずです。そう考えるとバランスは取れています。
また、仮に階層のバランスが取れていないとしましょう(味方には3gがいるが、相手にはいない)。この場合考えられるのは、その3gの人物が3gの実力ではないという可能性です。もしかしたら直近の戦績でかなり階層の離れた上位プレイヤーに勝利し、マッチングのシステムに”より高階層のプレイヤーとマッチングさせるべき”と判断されたのかもしれません。
事実として、明らかに階層と実力が見合わないプレイヤーが存在しますよね。そう、皆さん大好き”サブアカ”です。また、もしかしたら復帰勢や別のMOBA経験者かもしれません。いずれにせよ僕が言いたいのは、”なにかしら理由があってマッチングさせている”ということです。なんの理由もなしにマッチングさせているとは僕は思いません。
②”同階層とは思えないほど下手だ”について
A.得意ロールについて
”このプレイで〇〇(階層)ってありえないだろ”、ってよく耳にします("昔に比べてレベルが下がった"というのは除きます)。最近は特に9帯や10bの階層のプレイヤーに多い気がします。でもこれに関しても少し冷静になって考えてみてほしいんです。まず皆さん得意ロールってありますよね。僕が普段絡んでいるプレイヤーの中でも、ジャングルはまったくしない、キャプテンはできない(やろうとしない)、ボットしかしない、というプレイヤーはたくさんいます。
ですがソロキューにおいては常に自分のしたいロールができるとは限りません。得意なロールが被ることもありますし、昔に比べればましになったとはいえ、キャプテンは不人気なロール(特に低い階層)だと感じます。
もし希望ロールが被ったとして、どちらか一方が譲り、試合が始まったとします。その場合譲った方のプレイヤーはもしかしたら不得意なロールかもしれません。考えてほしいんですが、もし自分が普段ボットしかしないプレイヤーだとして他のロールをするとなったとき、自分が今いる階層の実力を出せるでしょうか。
ここで自信をもって肯定できる方はソロキューにおいてはロールを譲った方が勝率が上がると断言します。しかしほとんどのプレイヤーは実力を発揮できずに、味方から罵倒のチャットが飛んでくるのが容易に想像できるのではないでしょうか。また、3v3において存在するのは、キャリー、ジャングル、キャプテンの三種類ですが、5v5においてはミッド、ボット、ジャングル、トップ、キャプテンの五種類に増えます。
つまりソロキューにおいて自分の不得意なロールをしなければならなくなる確率は、3v3よりも5v5の方が普通に考えれば高くなるわけです。これは”味方のプレイがひどい”という意見の理由の一つになるのではないでしょうか。そう考えるとロールが被ったうえで譲ってくれたプレイヤーを攻めるのは少し理不尽な気がします。
勘違いしてほしくないのは、一部のロールしかできないこと(得意でないこと)は別に悪いことではないということです。もちろんできるに越したことはありませんし、ゲーム全体を理解するためにも全ロール練習するのは上達に繋がりますが、器用貧乏になってしまうよりははるかに良いでしょう。PTを組んでプレイする場合、固定ロールで試合をまわすのは非常に合理的です。
B.得意ヒーローについて
またこれはロールに限ったことではなく、ヒーローでもいえることでしょう。ランクマッチではいつでも得意ヒーローを取れるとは限りません。相手に取られてしまうこともあれば、バンされてしまう可能性だってあります。そして得意ヒーローを取れたとしても対面との相性、味方チームとの相性が悪い可能性だってあるはずです。
これが最初に挙げた自分が思っているメタと違っただけで味方批判を始める、という話にも繋がってきます。仲間うちで強いと思っているヒーローをピックした(またはカウンターと思っているヒーローをピックした)としても、デスしたり、ミスをすると味方から乾杯ピンが飛んできたことがありませんか?
Vaingloryの勝敗にはさまざまな要素が絡みます。勝率が七割を上回れば十分すぎるほどカウンターといえるでしょう。しかし裏を返せば、十回やって三回は負けてしまうわけです。メタでないヒーローを使い、勝ったときに文句は出ませんが、負けてしまうとトロール認定されてしまい、晒されることはよくあります。
(程度はありますが)メタでないヒーローを味方がピックしたときも少し立ち止って、チームのバランスやカウンターについて考えてみると良いかもしれません。
C.プレイスタイルの違いについて
この記事を読んでくださっている皆さんは自分がなぜ今いる階層にたどり着けたのか説明できる方は少ないのではないでしょうか。普通はこんなこと考えないでしょう。これは言い方を変えると、なぜ自分が今の階層で止まっているのか、ということにもなります。
なにがいいたいかというと、Vaingloryにおいて実力の定義は非常に難しいということです。ある階層において、ある人はミクロのプレイ(反射ブロック・スキルの精度やスタッターステップ、フォーカスチェンジ等)が非常にうまかった、ある人はマクロの判断(オブジェクト判断やグループアップのタイミング)が非常にうまかった、ある人はその両方は苦手だが、チームの構成(カウンターピック、ヒーロー相性等)を考えるのがうまかった、など人によってなにが得意かということは異なります。特にチーム構成は軽視されがちです。
それらを総合して、判断するシステムになっているのがTierの概念です。すべての試合の結果のみをもとにランク付けされるわけですから、一試合の、しかもワンプレイのみを判断材料にするよりも遥かに信用できます。”Tierが信用できない”というのはおかしな話で、客観的な結果に基づいたデータとしてこれ以上に信用できるものなど他に存在しません。
それに納得できないのなら、さっさと自分の階層をあげていけばいいだけです。自分と同じ階層のプレイヤーを下手だと感じるということは、自分の実力は今いる階層よりも上だと確信しているからです。実際ソロキューのみで10gまでいったプレイヤーはいますし、僕自身も10sまでソロキューだけで行きました。本当にあなたのTierが適正でないなら上がれるはずです。
D.その日の調子やプレイ環境
これはどんなことでも言えますが、みんな人間ですから”調子”というものがあります。極端な話をすると、風邪を引いていれば判断は鈍るということは誰だってわかります。気分は毎日変わりますし、いつもベストな環境でプレイできるとは限りません。
10bのプレイヤーが調子が悪ければ、9gのパフォーマンスになってしまうのは仕方がないでしょう。自分の調子を見極めるのもTierをあげる上で大切な要素かもしれません。
E.上級者によるブースト
ここまで書いてきて、さもTierは正しい指標である、みたいな書き方をしましたが、唯一の例外が上級者のサブアカによるブースト(いわゆる”寄生”)です。
これは線引きが非常に難しく、どこまでが”寄生”と呼べるのか、という問題があります。10gのプレイヤーが9bのプレイヤーと10bになるまでプレイしたなら、それは”寄生”と呼ばれても仕方ないですが、10bのプレイヤーが9bのプレイヤーと9sになるまでプレイした場合は”寄生”とはいえないかもしれません。
また10bと10s、10sと10gに大きな実力差があることも問題です。加えて同じ10bでも、2400前半のプレイヤーと2500後半のプレイヤーでは実力に大きな差があり、以上のことから”寄生”の線引きはほぼ不可能ということがわかります。
ただ一つ言えるのはあまりにも本来の実力と差のある階層にたどり着こうとする場合、”寄生”にも限界があります。10gのプレイヤーのサブアカに”寄生”したとしても、”寄生”する側にもある程度の実力がなければ一定以上上がるのは難しいということです。
サブアカを使っていたとしても、(前述のとおり)勝ち続けていると強い相手とマッチングするようになります。そうなったときに最終的に求められるのは”寄生”している側の実力です。もちろんPTにはVCという強力な武器がありますから、上級者からの指示を受けられるわけですが、これはいわゆる”コーチング”にあたります。
”寄生”というと非常に聞こえが悪いですが、上達するには一番効率的だといえるます。やろうと思えば上級者のすべてを吸収できるわけです。これ以上の環境はありません。よって目標の階層にたどり着くまでに、大幅に成長している可能性もあります。
なにがいいたいかというと、大幅に自分の実力からずれた階層にはいくら”寄生”とはいってもたどり着けません。必ずしも”寄生”したプレイヤーが下手だとは限らないということです。
と、ここまで”寄生”を擁護するようなことを書きましたが、事実として明らかな”寄生”(上級者から実力を吸収できずに上がったプレイヤー)が存在し、そのプレイヤーとソロキューで味方でマッチングしたなら、不利なチームであるということはいうまでもないでしょう。
しかし考えてほしいのは、そのプレイヤーが味方にくる確率よりも、相手チームにくる確率の方が高いということです。味方は自分以外のランダムな四人、相手チームはランダムな五人なので当然ですね。つまりいずれは確率が収束して実力通りの階層にたどり着く仕組みになっているわけです。
試合数をこなして上がれないのは自身の実力不足だということを認め、改善点を見つけましょう。
まとめ:
長々と色々書きましたが、試合に負けたり、味方の下手と感じるプレイを見てイライラしたり、暴言を吐いたりしてしまう気持ちはよくわかります。僕だって人間なので負けが続くとイライラするし、どうしてそこでそういう判断なの? みたいに味方のプレイを否定的に思うことは多々あります。キャプテンをしていてキャリーが火力を出してくれないと落ち込みます。
僕個人としてはそう思ってしまうことは別に悪いことではないと思います。きっとそれは向上心の裏返しでしょう。しかし、そうなってしまった(イライラしたり、暴言を吐いてしまいそうな)ときにこの記事の内容を思い出してほしいんです。 色々書いた中の理由が一つでもそのプレイヤーに当てはまれば、少し怒りが収まるかもしれません。
5v5の環境になってからデュオやトリオで潜る機会が増えたと思います。僕もそのうちの一人です。多くのプレイヤーはVCをつなぎ、通話しながらプレイしているでしょう。”暴言を聞いた人物のパフォーマンスは低下する”ということが証明されているのは有名な話です。きっと皆さん経験があるでしょう。暴言や苛立ちというのは勝率を下げてしまうのです。
つまり口に出したり、チャットしたところでなんのメリットもありません。本当に”勝利”を目指すなら表にだすべきではないのです。なんとなく本能にしたがってしまうと出てしまう暴言ですが、この記事のような”理由”を思い出せれば少しは防ぐことができるかもしれません。
少しでも勝率の向上に繋がれば幸いです。